
この『たくさんのふしぎ』はそれぞれのウミウシの名前にはこだわらず、生態をやさしく解説してくれています。
角のように見えるのは、触角。においをかぐための器官。
木の枝のようにふさふさしたものは、えら。呼吸をするための器官だそうです。

ウミウシは巻貝の仲間だけど貝殻は背負ってません(一部のウミウシは背負ってるそう)。そんな裸ん坊でどうやって敵から身を守るのでしょうか?
それはカイメンやホヤなど毒を持った生き物を食べ、その毒を体内に蓄えることで敵から身を守っているのです。カイメンやホヤ以外にもヒドロムシ(先日の観察会でもむやみに触れてはいけないものとして注意されてます)やイソギンチャクなど毒針を体内に持っている生き物を食べるウミウシもいるそうです。そして驚いたことに、その毒針ごと食べ、それを背中のミノの中に蓄え、攻撃されたときミサイルのように発射するのだとか。ひぇ〜。





そしてこんな風にあれこれ敵に食べられない工夫をしているのに食べられてしまうこともあります。
さて、ウミウシを食べる生き物とは?
なんと肉食のウミウシ!

急いで他の容器に移し替えられました。
そのときに別のウミウシが二匹ぴったりくっついている様子も見られ「食べられてる?!」と思ったわたしでしたが『コウセツしてるんだよ』と教えられました。この『交接』についてもこの本に載ってました。ウミウシは這ったあとに自分のにおいを残し、そのにおいを手がかりに結婚相手を探し出すのだそうです。あのとき、同じ水槽の中でにおいを頼りに寄り添ってたんですね。

裏表紙はウミウシ図鑑になってます。本文にはむずかしい名前はほとんど出てきません。そういえば鳥も識別にこだわるのは主に大人で子どもは識別よりもしぐさや、色やかたちのおもしろさに興味を示すのだときいたことがあります。
エッ、じゃあ、こびとくはコドモ並みってことですか・・・。
図鑑よりおすすめの一冊です。