こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

干潟を大切に

今日は平潟湾での探鳥会に参加。横浜市金沢区金沢八景駅前から野島にかけての平潟湾は横浜市唯一の干潟といわれているそう。干潟といっても広大なものではなくほんのわずかのスペースである。向こうに見えるのが野島公園

着いていきなりチュウシャクシギ発見。ここでチュウシャクシギが見られるのはとてもラッキーなことなんだそう。わたしは先日、蒲生干潟で至近距離で見たもんねー。と心の中でつい得意気になる。

たくさんいたキアシシギ。(足が黄色い)最初は全体的に泥のグレーだし、なんか大きな牡蠣みたいな貝殻とゴミばかりでこんなところにいるの〜?という感じだったけど目がなれてくると次々とシギ、チドリをみつけられるようになる。泥に穴が開いてるなとしか思わなかった地面もよく見ると穴からカニが顔を出してたくさんうごめいている。
何にもいないと思っているところにもよく見ればこんなに!(またまたキビシイ画像ですいません)
夏羽のハマシギ。お腹だけ黒くて背中が茶色で冬の姿とはまるで別人のようでびっくり。メダイチドリも相当数いた。

とたくさんの鳥たちに興奮の一日だったのだが、本日の目的はただ鳥を見るだけではなかった。
実はこの場所に国道を通す計画があるのだ。もはや計画は何年も前から決定しており、道路の建設は免られないのであるがこういう場所があるということをまずは自分の目で確かめてください、というのが今日のテーマであったのだ。
この小さな干潟は地元の人などが貝掘りをするぐらいで美観的にもそう美しいものでもなく、地域では道路建設に賛成はしなくとも反対する人もいない、そんな感じのようです。つまりなくなっても困ることはないと考えられているのですね。国道が横須賀市まで伸びれば便利になったりもするのでしょう。
でもそれは人間の側から見た考えです。

何度もこのブログで書いていますが春と秋に渡りをする鳥たちはオーストラリア辺りからシベリアまで移動するものもいます。そんな長旅の途中で休憩したり、栄養補給するのが日本なのです。道の駅や高速道路のサービスエリアのようなものが日本の干潟なのです。東京湾有明海、伊勢湾と並んで重要な野鳥の渡来地です。なのに東京湾の干潟は現在までに90%が埋め立てなどにより消失してしまったそうです。
今日のリーダーの方のお話の中でこの八景島付近のほとんどが埋め立てによる土地だということを知り、愕然としました。
遠浅のため、埋め立てやすいという理由で住宅地や工場地に変わってしまっていたのでした。人間ってなんて欲深いのでしょう。

鳥たちは季節によってこの小さな干潟をみんなで共有しています。春と秋はシギチドリ類、冬はカモやカモメ類というように。干潟は満ちて来ると水で覆われ、潮が引くと泥でウェットな状態になります。常に乾いた硬い土地とは全く異なります。
わたしたちはこれまで乾いていて硬いものが良いと考えてきたように思います。生物学者本川達雄先生の受け売りですがビルなど大きな建設物はそうです。硬くて形が変わらないようにできています。でも生き物はそうではない。みんな湿っていて柔らかく、形を変えます。
これからの時代に大切なのは干潟みたいに形状の変わるものなんじゃないかな?と思います。
うまく説明できませんが、皆さんも考えてみてくださると嬉しいです。

ウェットランド、干潟を大切に。


鎌倉経由で帰宅したので途中下車してnuinui1stさんとソンベカフェさんにサンダル帽子展のDMをお届け。いつも配布にご協力いただきありがとうございます!
今夜は遅いのでジゴクのアテナ書きはおあずけ。
オヤスミナサイ。