こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

ハセツネ30完走レポ・その2

さて、第三関門をなんとか通過すると残りは6キロ。
わたしに残された時間は1時間40分。大丈夫、いけそうです。
あとからきいた話によると制限時間の7時間でゴールしたにも関わらず、第三関門で間に合わなくて完走扱いにならなかったランナーさんもいたそうなのでやはりこの第三関門が最大のハードルだったよう。
コースの最後の方は登りより下りが多くなってくるのですがこの頃はもう走れる状態ではなくなってきてます。
カーボローディングでグリコーゲンも溜めてたし、途中でエネルギー補給もしてたし、水も充分残ってたし脱水状態にもなってなかったし、お腹も減ってなかった。だけど足が動かない。なんでか腰が痛い。っていうか腰から下がもうドーンと重だるい。しかも頭痛までしてくる。

もう、無理×××
もう、いやっ!

それでも走れる場所は走ってるんですよね。
なぜかって言うと一刻も早く終わらせたかったから。ノロノロ歩いているとゴールが近づいてこないから。
最後の方は仰向けに寝ちゃってるランナーさんも何人かいて、わたしもここでしばらく休んで行こうかと考えるのだけどやっぱり一刻も早く終わらせたくて通り過ぎます。
こんなに辛くて足腰にきてるのに走れるのがすごいなーと我ながら感心してみたり。結局のところ体力の限界ってところまでいってないんですよね。ゴールと同時に失神してしまうような箱根ランナー並みの走り方ってそれなりの練習を積んだ人のみできる芸当です。わたしなんか絶対そんな風に体を追い込めません。だから辛いっていっても体にはまだまだ余力があるわけです。つまるところ精神力の問題。

そしてやっとあと3キロという表示が登場。
まだまだゴールは先だけど少しだけ先が見えてきた。もうスタートしてから6時間以上が経過してます。シンジラレナイ・・・。わたしより後ろにいる人たちはもうそんなには走れないランナーばかりなのでもう抜かれることもあまりありません。

まわりのランナーさんはほとんどストックを持った人ばかり。
両手にストックを持つと4本足になるわけで足への負担が減るらしく、遅いランナーや女性、体重の重い人などは持っていた方が良いとききました。皆さんを見てわたしも木の枝を拾って杖にしようかと思ってしまいました。(実際、そうやってる人もいた)
速いランナーはもうとっくの昔に追い抜かれているのでわたしの周辺のランナーというと故障ランナーか女性ランナーか山屋さんというのでしょうか、登山家の方々といった感じ。ダブルストックを持った山屋さんぽい方々がやっぱりすごくて登りも下りもほとんど同じペースで進んでいて、下りで抜いてもまた登りで必ず抜き返される。その淡々した進み方がすごくカッコいい。全然へばってなくてすごかった。

そして残り2キロの表示。
ここで走り始めるのはみな女性ランナー。最後の最後で元気になるのは女性ランナーって誰かが言ってたけどほんとにその通り。トレイルから抜け出して一瞬ロードに出ます。山の中では通じなかった携帯が使えそうなので先にゴールしているはずの相方に『のこりにきろきりました』とメールを打つ。これが午後3時13分。
もう完走はみえてるので歩いたって休んだっていいのだけど何かを振り絞りつつ走りました。
またトレイルに入り、残り1キロ。
途中のスタッフさんも応援してくれます。

以前、湘南マラソンで応援していたときに走っている人が声援に応えてくれるのが嬉しかった経験があるので以後、なるべく応援には手を振ったりありがとうございまーす!と応えるように心掛けてます。だから今回も苦しくても応援には笑顔で応えるようにしてました。そうすると不思議とチカラが湧いて来る。笑顔ってすごいんだなぁと思います。道路脇で野菜を売っていた地元の方々もみんな「あと少し、頑張って!」と言ってくれるのでもうウルウルきてしまいます。トレイルから抜け出して最後のロード部分に出るとそこにはたくさんの人の応援が。途中まで前後しながら一緒に走っていた女性ランナーを振り切って最後の力を振り絞ってゴールでした。
先にゴールしたランナーさんたちもゴールゲート脇の通路で次々と声をかけてくれたのが嬉しかった。

見えてきた電光掲示板に6時間29分の数字が見えたのでなんとかして6時間半を切ろうと最後は爆走
6時間29分55秒でした。
実はこのレース、最初は制限時間6時間半だったのです。初心者には制限時間がキツ過ぎるということであとから7時間に延びたのです。だからもし、当初のとおりの制限時間だったらわたしは最後のランナーとなるはずでした。

そんなこんなのギリギリのレースでした。
レース途中はもうこんなん絶対いや!と思っていたのに終わってみると楽しかったーとなるので不思議。
こんなんに嬉々として参加する人みんな変態です。

完走証をもらい、完走Tシャツや『のらぼう菜』をいただき、フラフラとした足取りで駐車場へ向かう途中でも次々とゴールに向かうランナーとすれ違う。わたしがしてもらったようにみんなに声をかける。おつかれさまー、あとちょっと〜、がんばれー!と。ゴールが近づいた途端にみんな一様にホッとした表情を浮かべるのが印象的でした。自分もそうだったんだろうなぁ。

人の流れに身を任せてフラフラ歩いていてふと気が付くとあれっ?駐車場はどこだっけ??
ずいぶん歩いたけど見覚えのある場所に着かない。途中で地元の人に訊ねるも駐車場はあちこちに点在しているのでわからず・・・。考える気力もなし。駐車場で待っているはずの相方に電話し、迎えにきてもらうことに。路肩に座り込んでいるわたしにスタッフの人も『駐車場?』と声をかけてくれましたが「うん、でも大丈夫です」とよくわからない受け答えをしながら相方の救援を待ったのでした。やっぱり最後は迷子でした・・・。



完走Tシャツはデザインも良く、XSサイズもあったので嬉しい
スクイーズボトルは上位800位までにもらえたらしく
わたしの分はなし。相方はゲットしました。
次回はボトルをもらえるよう頑張りたいな・・・
ってもう、来年も出るつもりでいます・・・ほんまかいな。