こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

クロジとエナガ

昨日、走っていたとき、すぐそばの薮の中から時々、カサッという何かが動いている音やチッ、チッという地鳴きが聴こえてきて何度も立ち止まることとなった。こちらがジーッと動かず静かにしていると声の主が姿を現すことがある。
ちょうど大仏のトンネルあたりの階段を通ったとき、傾斜地で目の高さになった笹の薮の中をのぞき込んだら見慣れない黒っぽい鳥がいるのが見えた。
とっさにクロジだ!と思った。
一度も見たことはなかったけど、「何だろう?」と思う前に頭の中で「クロジ」という名前が浮かんだのだった。多分、よく寝る前にベッドの中で図鑑をパラパラめくっているから知らず知らずのうちにその姿が頭に入っていたのだろう。家に帰ってからすぐに図鑑を開く。やっぱりクロジだ。『薮の中にいる』とちゃんと書いてある。普段はもっと高い山にいる鳥なのだが冬場は雪のない地域の暗い林内のやぶに移動するのだそう。冬限定で関東にいる鳥なのだった。
会えてよかったー!

そしてもうひとつ出会えた感動の鳥がエナガ。くちばしが小さくてスーパーおちょぼ口でフワフワでピンク色が混じっている大好きな鳥。鎌倉にいるとはきいていたが出会ったことはなかった。そのエナガが数羽の群れで目の前を通り過ぎて行った。これにも感動。
他にもヤマガラシジュウカラアオジ、ウグイス、メジロなどたくさんの鳥を目にした。もちろんタイワンリスも。
鎌倉のハイキングコース、ぜひ皆さんも歩いてみてくださいね。

それにしてもレース当日、500人ほどのランナーがここを走ることになる。鳥たちにとっては迷惑な話なんだろうな。以前、林道のすぐ脇にウグイスの巣をみつけたことがある。まだ繁殖期には早いかなと思うけど季節を間違うとえらいことになる。でもここの鳥たちはいつも大勢の人がハイキングしているのを知っているから案外気にしないのかも・・・などと勝手に都合よく解釈。
それよりもこうして自然を利用して楽しむことによってこういう里山は重要なんだ、残さなきゃいけない、と考える人が増えるといいな。例えば使っていない空き地はすぐに宅地開発される。誰も利用しないという理由でどんどん緑の土地が減ってしまっている。なかなかそのまま放っておいてはくれない。都会でかろうじて残っているのは寺社の鎮守の森だけ。鎌倉にこういう森が残っているのはもはや奇跡である。
そんな奇跡の場所を大切に。

逗子マリーナの方まで見渡せる場所もありました