こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

ひとり旅

昨日の再テストに向かう電車の中ではブツブツ、テキストとにらめっこしてたけど帰りはようやく本が読めた。益田ミリさんの『47都道府県 女ひとりで行ってみよう』である。日本には47都道府県もあるのに全部行かないのはもったいないなぁとはじめたひとり旅。一ヶ月一県まわると4年かかるが急ぐことはない、とマイペースで始めた「ただ行ってみるだけの旅」。
ウェブ連載をしていたものが一冊の本になった。
本当に47都道府県行っている。32歳から37歳までの毎月のひとり旅。毎月、旅にかかったお金と4コママンガも添えられていてそれを見るのも楽しい。
旅した各地で名産、名物を食べるのかというとそうでもない。というのは益田ミリさん、海産物とお酒が苦手なんだそう。最初のうちはそれでも無理して名物にチャレンジしていたが、苦手なものは残してしまったりもして途中からはこだわらず、コンビニで買ったものをホテルの部屋で食べたりするようになった。それもまた良しなのである。
自身で「内向的ひとり旅」と言っているように今ひとつ、旅先でコミュニケーションがとれない。体験コーナーで体験したいのに言い出せなかったり、タクシーの運転手さんに勧められるまま行きたくもない名所まで走らせ運賃が高くなってしまったり(断れないのであった)、夕食のお店を決めるのにひとりで入りやすそうなところを探すのに2時間もかかったり・・・。
ひとり旅ではやはり夜ごはんが難しいようであるがそれでもときどきはフンパツして名店ののれんをくぐることもある。松坂での松坂牛の老舗料理店でのエピソード。ひとりなのに個室に通され、7000円のすき焼きをお店の仲居さんに焼いてもらいながら食べる。『美味しかったけどおばさんの目の前で食べるのはちょっと落ち着かなかった』とある。そりゃそうだ・・・と可笑しかった。
というのも似たような経験をわたしもしたことがあるから。
まだ結婚をしたばかりの頃、ふたりで大奮発をしてすき焼きを食べに行ったことがある。(あとにも先にもこれっきりだけど)そのときにやはり個室に通され、着物を着たおばさんが焼いてくれたのだった。最初にネギを焼き、わたしと相方それぞれの器に入れてくれる。その時点でえっ?自分たちで焼くのではなくて焼いてくれるの??とびっくりした。次にお肉を焼いてくれる。頃合いを見て再びふたりそれぞれの器に入れてくれる。これはもう、すき焼きのわんこそば状態!

しかし、おばさんは最初の一枚を焼いたあと『あとはごゆっくり』と言って去って行った。そこでようやく緊張が解けたわたしたち。まさか全部焼いてくれるってことはないよねー、よかったねーと言いながら残りを平らげたのだった。
ミリさん、さぞや緊張されたことと思います。
そして30代後半の女の人がひとりで泊まったり、ひとりでゴハン食べたりしていても寂しく見えないようにすることについてもちょっぴり考えたりもしている。本当は温泉旅館にも泊まってみたいけど「おひとりではちょっと・・」といわれることが多いのだとか。でも最近では「おひとりさま対応」の宿も多いですよね。
久しぶりにぶらり、ひとり旅に出たくなる本でした。

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