こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

タルト・タタンの夢

近藤史恵さんの『タルト・タタンの夢』 読了。帯には極上のミステリーとあったがミステリーと言っても殺人事件などが起きる訳ではない。下町の小さなビストロを舞台にそのお店に出入りする人の小さな悩みや出来事を料理にからめて謎解きする短編集である。
ミステリー好きには物足りないかもしれないけどわたしのようにミステリー苦手の読者にとってはサクサク読めて心地良い。普段あんまり本を読まないなんて人にもおすすめです。
謎解きに必ずお料理が出て来る。タルトタタンだったり、ショコラだったり。
深夜に放送する30分くらいの連ドラに使われそうな小説。フレンチレストランって滅多に行く機会がこれまでなかったけどこの本を読むと絶対行きたくなる。それも気取ったところではなくあくまでビストロへ。
こういう寒い季節はそんな気分です。(ちょっと行ってみたいなーと思うのはココ

7編のショートストーリーに共通して登場するのがヴァン・ショーなる飲み物。ホットワインなのであるがグローブとシナモンを入れた温めた赤ワインにオレンジのスライスを浮かべたもの。悩めるお客さまをちょっと落ち着かせるときに登場する小道具。体が温まり、気持ちが安らぐ飲み物。
次回は続編を読むのに決めた!