こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

左手のサイン

金沢の宇吉堂さんからミツル・カメリアーノさんの『パーフェクトマスター デッサン・風景』という本とポストカードが届きました。利き手の右腕をお怪我されているそうで今ならお買い上げの本に左手でサインをしてくださるそうです。なんか貴重な感じですね。わたしもサインをいただきました。なんとゆっきんさんの肖像画付きです。かなり感激
とても左手で描いたとは思えません。

この本のいちばんはじめのところに『デッサンそのものにあまり楽しい思い出を持っていないという美術学校出身の方に時々出会います』という一文があってドキッ。確かに人生で一番たくさんデッサンを描いていたのは美大受験の頃で自分の楽しみで描くというよりは受験攻略のために描いていたような思い出があります。美大に入ってからも「課題」として描くことが多かったような・・・。
本当は描くことが好きだから美大を目指していたのにね。

イタリアを2週間一人旅したとき、ポストカードのサイズに綴られたスケッチブックと水性色鉛筆を持ってゆきました。滞在先でひとりスケッチブックを開き、スケッチしていたことを思い出します。耐水性のペンで線を描き、色鉛筆で色を塗ったあと水を含ませた筆でなぞれば水彩画のように色がにじんでくれる水性色鉛筆は旅に最適な画材でした。行く先々でそのスケッチを切り取り、切手を貼って日本にいる相方に宛てて投函しました。そのほとんどは郵便配達事情の悪いイタリアゆえ、わたしが帰国してから届いたのですが。今みたいにデジカメやましてやブログなんて存在しない頃の小さな旅の思い出です。

この本は文章より圧倒的に絵が多くて、デッサンのハウツーはもちろんですが単純にカメリアーノさんの風景画を楽しめます。金沢の風景はもちろん、以前住んでおられたという牛窓のものもあります。みていたらスケッチブックを持って旅に出たくなりました。

この本についてはこちらでどうぞ。