こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

湘南が舞台の小説

主人公が暮らすのが湘南(筆者も湘南暮らしだ)の小説を立て続けに読む。喜多嶋隆さんのキャット・シッターの君に。と吉野万里子さんの雨のち晴れ、ところにより虹である。どちらもいくつかの短いストーリーを集めたもの。(キャットシッターの方はその短編すべてつながっている。いや、実は雨のち晴れ、の方もつながったストーリーだった)区切りながらチビチビ読むにはいい。 「雨のち晴れ、」の方は湘南のお店の実名もバンバン登場するのであっ、あそこ!という感じで物語に入ってゆきやすい。やはり知っている場所が舞台になっているのは結構楽しめる。「キャットシッター」の方も葉山マリーナや材木座のアパートなどたやすく想像できるロケーションがいっぱい登場するので頭の中で映像が浮かぶような感じで読み進めることができる。それに「ペットシッター」ではなく敢えて「キャットシッター」としたところもネコ好きとしては嬉しい。 マリーナで働く一方、キャットシッターとしても仕事している女性がネコを通じて様々な飼い主さんの暮らしに巻き込まれてゆく様子を描きつつ、自分も成長してゆくというか過去の心のキズを「古傷」に変えてゆくまでのストーリー。 そういえばキャットシッターってミステリアスな仕事だ。知らない人の留守宅に鍵を預かりはいるわけだから。飼い主さんのプライベートには立ち入らないようにしつつ、けれども誰よりも飼い主さんのプライベートを知るという局面も持つ。 うちも年に何回かシッターさんのお世話になる。シッターさんはネコにまつわるもの以外は一切触らない動かさないと決めているようで、帰ってくると出掛けた時のそのまんまの状態になっている。つまり散らかしてたものはそのまんまということ。 シッターさんをお願いするときに困るなーと思うのは出掛ける前に他人が部屋に入っても大丈夫なくらい部屋を片付けて出掛けなくてはいけないことだ。流しに洗い物を放置してたりとか洗濯物散らばってたりとかひとに見られるのはやっぱり恥ずかしいもの。 ゆっきんさんのシッター、Jさんは明るく少々テンション高めの人で鍵を受け取りに来る時は「ハァ〜イ!ゆきちゃん!元気ィ〜!」みたいな感じでゆっきんさんは当惑顔。いつも「シャイなのね」なんて言われてマス。