こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

紳士 靴を選ぶ

先日『紳士 靴を選ぶ』という本が届いた。ほんの少しだけだが取材協力したということで送っていただけたのだった。著者の竹川さんには紳士靴図鑑でもお世話になった。以前、All about JAPANの靴ガイドをなさっていた方と言えばご存知の方も多いのではないかと思う。こびとくのことを竹川さんの文章によって知ったという方も数多くいらっしゃることと思う。従来のカタログ的な本とは違った視点での紳士靴の切り口を見せようと努力されている竹川さんの著書である。
 この本のタイトル、最初は『紳士靴を選ぶ』だと思っていた。だから紳士靴の選び方の本なのだと。しかし、よくみると「紳士」と「靴」の間にスペースがある。うーむ、これは何かあるゾと思った。
もちろん世界有数の靴のブランドの名前はいっぱい出て来るし、靴の歴史や手入れの仕方、革についてなど幅広くかつ、わかりやすく説明されている。だけどこれだけでは従来通りの靴関連本と大差ない。やはり竹川さんらしさを感じたのは「日本の靴」に関する項である。靴が手作りのものだった時代からオートメーション化が進んで職人さんたちの仕事が少なくなってから40年の空白のときを経てなぜかブームとなり始めた手製靴。そのつくり手たちと至近距離で取材を進めてきたのが竹川さんなのだ。竹川さんの言葉を借りれば『20世紀最後の10年に現われた若手の職人たち=第一世代』にこびとくも含まれる。(すでに第二世代も登場しているそう)そしてその第一世代の人たちに切り込んでいったライターさんという点では竹川さんもやはり第一世代なのだ。こんなに多くの人たちが自分の手で作りたいと思ったその根底に流れる気持ちはつまるところ世代の違う人(年齢は関係ないですよ)には理解することはできない。だけど世代が同じ人には伝わるのだ。靴を作るなんていうと奇異に映るかもしれないけど作っている人は当り前ですごく自然な行為なんです。これが。そしてこれを当り前にフツーに買ってくれる人も確かにいるのです。だからつくり手と買い手はちゃんと存在していて決して奇異ではないし、むしろ健全なのです。

なんだかまた訳がわからないまとまらない文になってしまいました。
やっぱり文字で伝えることは専門家におまかせましょう。
竹川さん、今後もよろしくお願いします。

皆さんもぜひこの本を手にとってみてくださいね。




よく晴れたある日、ベランダにゆっきんさんのトイレを干す。なぜか慎重に匂いを確認するゆっきん。

竹川さんはこんなおとぼけゆっきんのファンでいてくださっています。