こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

ヒールの高さ

よくもう少し高いヒールはつけられないのかと言われることがある。「せめて3センチくらい」と言われることが多い。ナースシューズなんかが3センチヒールだからなのか3センチ信仰ともいうべき考え方が浸透している気がする。3センチという高さが一番いいって言う人はかなり多い。それより低いと後ろにひっくり返ってしまう気がするのだという。(そんなことあるわけないと思うのだけど)
ところが残念なことに木型には取り付けられるヒールの高さは木型によって決まっているのだ。ヒールだけもう少し高く・・・とはできない相談なのである。取り付けられるヒールの高さはこの画像のような計測器で測ることができる。プリントされている数字がヒールの高さになる。
このように木型のカカト部に当てて計測する。このときに木型のボール部が正しく接地している状態でつま先が鉛筆一本分くらい(7〜8ミリ)上がっているのが適切なヒール高なのだ。前後5ミリくらいは付けられるヒールの融通はきく。ハイヒールになってくるとつま先はあがらず、先まで接地している状態になっているのが普通である。つまりハイヒールのときは正しいローリングでは歩行してないってこと。以上のような理由でこびとくのクツのヒール高は1〜1.5センチと決められている。1種類だけ2センチヒールの木型(レディスのみ)があるのでそれを使用すると最大高2.5センチである。個人的にはこの2センチヒールはかなり気に入っている。

ちなみにこの画像の木型は35ミリヒールでこれはこびとく製のクツではなくて紙型製甲取り仕事の木型である。絶対に好きになれない木型だけどこれも生活のためである・・・。