こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

三姉妹

色とデザインの同じ靴を進行中。
一番左は自分用に出来上がった靴。まん中はスクイ縫いしてかぶせるとこまで終わってる途中のオーダー靴。右端は今日つり込むオーダー靴。同じ靴でも素材や色を変えることが多いのでこんな風に三姉妹が並ぶことは珍しい。だけどこのみっつ、同じように見えてそれぞれ違う。使っている木型は23と23.5センチで大きさに違いはないのだけど幅は大きく違うし、その人の足の特徴にあわせた形になっている。製甲のときはそれぞれの違いがわからないのにつり込んで形になってくるとその特徴が現われ、オーナーさんの顔が浮かんでくるからおもしろい。飽きることなく作りつづけていられるのはきっとそういうこと。

さて、このように色とデザインが同じ靴を続けてつくる場合ですが、本当なら一緒に栽断して同時進行で縫った方が多分速いのでしょうが、こびとくの場合は別々につくります。なぜなら必ずどこかで間違えてしまうから。ただでさえ、右足を2足栽断してしまったりするのに2足分同時進行してしまうと余計に混乱してしまうのです。この靴みたいにパーツが多いとさらに混乱度は高まる。
その「混乱した感じ」がニガテなので一足ずつ作りマス。
多分そういうのって会社だったら許されないんだろうな。「マイペース」って言葉はなんとなくのんびりしている人に使う言葉だと思っていたけど(だからちょっとせっかちな自分には違うと)充分、マイペースで仕事しているこびとくなのだった。

オーナーさんへ。お待たせしてますが今週中には仕上げるつもりです。もうしばらくお待ちくださいね。