こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

かもめ食堂

かもめ食堂」をイッキに読む。映画のための書き下ろしというだけあって、登場人物が見事に配役のイメージ通り。でも映画では明らかにされていないことも本には書いてあったりする。驚いたのはサチエさんは宝くじが当たってたということ。その一億円が資金になっていたというエピソードは確か映画にはなかったはず。それにおにぎりにあれだけこだわっていた理由も小説の方を読めば納得。逆に小説には出てこないシーンも映画には数々ある。
これは絶対に映画と小説の両方を体験することをおススメしたい。そしてきっとどちらも楽しめるはず。日本ではサチエ、ミドリ、マサコは「負け犬」ってことになるのかもしれないけど(それにしても負け犬だなんてなんてヒドイ言葉!)全然そんなことないと思う。年齢や既婚か未婚かということで女性をくくるなんてホントにどうでもいいこと。そういう意味でもきっと大人の女性に支持されたお話だったのだと思う。
サチエさんの店に対する考え方にはすごく共感できる。売り上げ第一にはできなくて、みんなが楽しみにやってきてくれて、楽しく食事して、楽しく帰ってくれればいいと思っている。大繁盛というわけではないけれど来てくれた人がまた友達を誘って来てくれたりして少しずつ客は増えている。派手な宣伝も広告も打っていないけど近所の人たちが来てくれる。商売人としては失格かもしれないけど「この前のシナモンロールがおいしかったからまた来たわよ」というおばちゃんの一言に満足しているのだ。
そうよ!そうよ!そうなのよ!と思わず言ってしまうくらいの感覚。
いつでも何でも何を読んでも何を観ても自分の仕事に重ねてしまうけど、ブランドじゃなくてもずっと無名でも、好きって言ってくれる人の靴をただただ作り続けていられる靴屋でありたいと思うのだ。
一流でもないし、すごい腕でもないし、高級でもないし、「足にぴったりの靴なんですね?」と問われると口ごもってしまうこびとのくつやだけど・・・。ホントに全然ダメなんだけどでも間違ってはいないと思うから。
そんな確かな気持ちをくれる「かもめ食堂」です。

今夜はかぼちゃのコロッケ作った。
わたしコロッケけっこう得意です。
食堂やりたくなっちゃった。