こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

Wファスナーブーツ

完成したWファスナーブーツ。片側にファスナー付きのものは何回か作ったことがあるけれど内側、外側の両方にファスナー付きを作ったのは初めて。
リハビリ用シューズとして市販されているものにこういう仕様のものはあるのでこれはわたしのオリジナルのアイデアではありません。でも、自分なりに工夫はしたつもり。
ベロに切り込みを入れてそこにヒモを通して、履くときにベロが倒れてきて邪魔になったりしないようにした。ファスナーの引き手には革をつけて金具を引っ張りやすくした。


履くときはファスナーを両方開ければ大きく履き口が開くしくみ。開いたところが固定できるようにつま先とベロにマジックテープを取り付けてみようかと思ったのだけど、それは使用感をきいてみてからにすることにした。ヒモがほどけてしまうと面倒なので自在にスライドできる金具を取り付けて結ばなくても調節できるようにした。その日の靴下の厚みや足のむくみなどに合わせてヒモで幅の調節をしたらあとはファスナーで着脱ができる。
なるべく軽くしてほしいというリクエストだったので軽量化につとめたが、こびとくの作りではどうしてもある程度の重さが出てしまう。シャンクや中底や芯材の工夫が必要だろうか・・・。でも量産していないので使える材料の種類には限界がある。あとは価格の問題・・・。

この靴は今度の展示会のときに展示しますので興味のある方は見にいらしてくださいね。「整形外科靴」という専門的な範囲の靴ではありません。ごく普通の方でも腰を屈めて履くのが苦痛だとかという場合があると思うのですが、そういう方でも脱ぎ履きがスムーズならこういうショートブーツも履いてもらえるかなぁと思ってつくりました。