こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

ステッチ屋さん

この一年くらいの間に取り引き先の業者さんが次々と廃業したという話は以前にしたと思うけどその最たるものがステッチ屋さんである。何年も通っていたところが突然、廃業となり、そこにいた職人さんが独立して始められたというのでそちらに通い始めたのも束の間、その方が病に倒れ閉店。現在ジプシー状態で辿り着いた3軒目のステッチ屋さんに通っている。しかし、ここの職人さんも65歳は過ぎているだろうと思われるので安心はできない・・・。

そのステッチ屋さんに昨日行ってきた。交通費や加工費や往復の時間を考えると自分で手縫いした方がよいかなとも思うのだけど何足かまとまったので、お天気もいいことだし出掛けることにした。本当は靴を送って縫ってもらって、送り返してもらった方が効率的なんだけど自分で持っていくようにしている。ずっと前に、モゲさんに言われたこと、『材料屋さんも電話で注文して送ってもらうばかりじゃなくてちゃんと出向いて顔覚えてもらわなきゃダメだぞ』ということを忠実に守っているこびとくである。それに人見知りするこびとくは、何度か会ってからでないと打ち解けないのでやっぱり顔みしりになるのに時間がかかるのである。
で、このステッチ屋さんの職人さんとも最近になってようやく会話するようになった次第である。以前ブログに書いたけど、靴の色が黒であろうが茶であろうがステッチの糸は「黒」で縫うお方である。機械に取り付けた糸を交換するのが面倒なのはわかるのだけど「愛が足りないよ」と以前書いた。ところが今回、おずおずと「これは白か茶の糸で縫ってもらえますか?」と靴を差し出すと「この靴の色なら白の方がいいな」となんと黒ではなく白糸で縫ってくれたのだ。しかも渋々ではなくですよ!送らずに足を運んだかいがありました。

今度は「もう少し荒く」とステッチのピッチもリクエストできたら
すてきだな〜と思っていますが・・・。

おまけにおみやげもいただきました。詳しくは今日おしで。