こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

近未来小説・新しい森

小川みなみ作「新しい森・2050年西新宿物語」を読む。

2050年というと遠いように思うけどそのころ自分はまだ生きている可能性はある。しっかりと今につながっている近い未来なのだ。この小説の中では2050年には町全体が巨大な透明シェルターで覆われている。地球の温暖化で東京湾沿いの低いところが水没し、夏の水不足と耐え難い暑さ、微量だから安全だといわれて放っておかれた有害物質がちりとなって空気中に広がり、環境は悪くなる一方で人々は長時間外に出なくなった。将来の環境の悪化を悲感して子供を産む母親は少なくなっている。(少子化は現在からすでに始まっているけどね)希少動物に指定された動物はものすごいスピードで絶滅してゆく。かわりに大発生するのは、ゴキブリ、アリ、カメムシなど。異常発生のメカニズムを研究者たちが必死に解明しようとするが手掛かりすらつかめない。

フィクションなのに妙に現実味をおびているこの小説。
あと40年ちょっとの未来はこんな風なのかもしれない。住む環境にこだわらず、雑食な動物たちが増え続けている一方できれいな水がないと生きられないとかこれしか食べないみたいな動物はどんどん減っている。2050年まで待たなくともそれは今でも充分、明らかだ。バードウォッチングをしていると本当に身にしみてわかる。

ちなみにこの本は児童書でSFというジャンルに入るようだ。でもあんまり子供には勧めたくないなぁ。
夏休みの宿題の読書感想文に頭を悩ます姪っ子ちゃん(小5)におすすめの本がないかと書店の児童書コーナーに行ってみたのだけど収穫はなかった。「推薦図書」には心惹かれるものはないし、かといって小学校高学年がどのくらいのものを読めるのかさっぱり見当もつかなかった。
絵本は山ほどあるのにね。
わたしは、シャーロックホームズとかアルセーヌルパン、そしてドリトル先生のシリーズなんかを読んでいたと記憶してるけど、「今の子供がおもしろいと思うものは違うよ」と子持ちの友人に言われてしまったし・・・。
小学校高学年におすすめの本があったらコメントくださいまし。
ルドルフとイッパイアッテナ」なんてどうかしら。