こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

アオバトのふしぎ

バードウォッチャーにとっての夏の風物詩ともいうべきアオバトに会いに早朝、大磯の照が崎海岸に向かう。昨年もブログに書いたけど、5月から10月頃までの間、この海岸の岩場に丹沢方面から「アオバト」というきれいな緑色の鳩が海水を飲みにやってくるのだ。木の実(カリウム)を主食としているので足りないミネラル分(ナトリウム)を海水で補っているのではといわれているのだが詳しいことは謎なのだ。水鳥ではないのにわざわざ丹沢から30キロもやってくるのだ。昨日は波が高かったせいか、山の方から群れで飛んでは来るものの、上空を旋回するだけで着水せずそのまま山の方へ戻ってゆくということを繰り返していた。あいにく曇りなので双眼鏡でその姿を覗いても色の鮮やかさはみえず・・・。(鳥の羽根は色素をもたないので太陽光線がないと色が見えないのだ)

適当なところで切り上げ、大磯郷土資料館で開催中のアオバトのふしぎ展に向かった。アオバトの生態がよくわかるように展示されている。『アオバトは山と海をつなぐ鳥』と書かれていたのが印象的だった。山から海に海水を飲みに来る途中で植物の種を落としてゆく(つまりフンね)のである。なぜ海水を飲みにくるのかという謎の答えは、植物の種を海と山の間に播くそんな役割を神様から与えられたと考えてもいいのかもしれないな。そしてなぜ大磯の海岸なのかというと近くに中継地点となる森があるからなのだ。大磯駅前にある「エリザベスサンダースホーム」の森で羽根を休め、海岸とを往復するのである。このホームは戦後、戦争孤児のために作られた施設なんだそうだ。今も多くの子供たちが暮らしている。だけどもし、ここが無くなる事になったら・・・。当然森も無くなるだろう。そうしたら人工物には決して止まらないアオバトは羽根を休める場所がなくなってしまう。海や山を保全することはもちろんだけどその間の環境も守らないといけないのだ。
わたしたちニンゲンはただ暑いからとクーラーのスイッチを入れて外気を温めてしまってそれでいいのだろうか・・・。

と考えつつ、帰ってきておしごと。今月は午前中は自由時間が取れそう。