こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

晒木綿

昨日に引き続き、手ぬぐい談義を続けるとしましょう。

ほとんどの手ぬぐいは晒木綿です。晒というのは繊維の持つ天然の色素を抜き去り、純白にする工程をいいます。平織りの綿布を晒した(洗ったり、干したりを繰り返す)ものが晒木綿です。
そして織り糸の太さ(番手)や密度によっていくつかの種類があります。
手ぬぐいの素材にまで詳しく言及しているサイトは少ないのですが、例えばあひろ屋さんの手ぬぐいは「特岡」らしい。糸は細くて密に織ってあるもので、薄いのだけど丈夫なんだとか。柄の細かい線は当然、密な生地の方が出ます。それに対し、こびとくオリジナル手ぬぐいは「上総理」を使っています。こちらは糸も少し太くてざっくり織られています。厚みもあります。上総理はありすやさんの手ぬぐいに出会って知った生地なのですが、なるほどふんわり柔らかいのです。それでこびとく手ぬぐいも上総理を使うことにしました。そして肝心の染め方ですが、ありすやさんでは「手捺染」という染め方なので非常に細かい柄も出ているのですが、「注染」に比べて仕上がり少し固い感じがします。こびとく手ぬぐいはとにかく柔らかい感じにしたかったので「注染」で染めることにしたのでした。 そして使ってゆくうちにわかってきたのですが、いくつかの手持ちの手ぬぐいを比べてみるとそれぞれ柔らかさが微妙に違うんですね。何度洗ってもあまり柔らかくならない手ぬぐいもあります。そういうのは端のほつれも少ないような気がします。買ったときは気が付かなかったけど厚みもそれぞれ違うのです。大抵は新しいときは糊がきいていてパリッとしていますから本当の手触りはわからないことが多いのです。何度か洗って使ってゆくうちに本当の姿が見えてくる・・・うーん、ほんとに奥深いです。
手ぬぐいの柄にばかり目がいきがちですが、素材感も大事だと思うのです。

手前みそではありますが、こびとく手ぬぐいはかなり良いです。
先日、軽井沢で立ち寄り湯をしたときも実はバスタオルなしで入浴してまして、でもこびとく手ぬぐい一本で身体を洗うのも拭くのも間に合いました。これも適度な厚みがあるからこそできること。おまけに濡れたものをしまう袋なども持っていなかったのですが首にかけているうちになんとなく乾いてしまいました。このように手ぬぐいをバックに忍ばせておけば、予定外の温泉にだって入れるってことです。

また新色でこびとく手ぬぐいをつくりたくなってきました・・・。

もうすぐ海開き。建設中の海の家。
クツクツ通信UPしました!!