こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

機械を使わずに

いわゆるマンションメーカーのこびとくは大掛かりな機械類は使わずに作っている。靴つくりを始めた最初の数年はミシンだけで、漉きは手でやり、底を削るのもヤスリを使って手で削っていた。包丁さえ良く切れればなんとかなるものだ。つまりは研ぎができれば何とかなるのだ。
靴つくりの世界に入るにあたっては何の計画性もなく、働いて資金をためた訳でもなく工房を始めようにも機材を揃えるお金が全くなかった。
靴を作って売ったお金で次の材料を買うのが精一杯の自転車操業
これぞまさしくグリム童話の「こびとのくつや」である。工房名の由来はこんなところにもあったのだ。
ハンドソーンウエルテッドの靴つくりを学んだのも、手縫いだったら機械を持たなくてすむと考えたからだった。結局、漉き機やグラインダーは導入したのだが「圧着機」は今だ持っていない。ちょっと乱暴のようだが、叩いて着けている。底は底で加工して最後につり込んだ木型と圧着するのではなく、本底やカカトを順に貼ってゆき、最後にまとめて削るという方法なのだ。よく温めて貼る事、輪ゲサでしっかり固定してきっちり叩くこと、着きのいい底材を選ぶことなどちょっと気をつければ圧着機がなくても大丈夫である。着きにくい底材のときは縫えばいいのだ。

靴つくりを学んでも、なかなか自分で始められないというような話をよく耳にする。それはもっともだし、靴って材料も工程も多いから大変だと思う。
でも大丈夫、できますよ。革が縫えないなら布で作ってもいいじゃないですか。
大事なのは「やる気」。それだけです。
できないのはその気がないからなんだな・・・。
と自分にも言いきかせてみる今日この頃。気持ちが大事よ、やっぱ。
今日おしでは靴教室関連の話題などしてみた。

もう、梅雨入りですかね。