こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

やさしい浅草

世田谷文学館へ行ったあと向かった浅草。
いつものように材料イロイロの仕入れ。
なんとまた材料屋さんの訃報をきくこととなってしまった・・・。
浅草に行けば必ず立ち寄るお店だったのでさびしいことです。
なかなか顔を覚えてくださらないところが多い中で(やっぱり相手にされてなかったんだろうな)一番最初に「こびとのくつやさん」と名乗らなくても伝票に書いてくれたおじさんでした。
初めて浅草に足を踏み入れたのはもう15年以上前のことだけどそのころはまだ靴の学校も今ほどは多くなく、入口の戸を開けた途端に「何しに来たの?」と尋ねられ、「材料を買いに」と答えると「何作るの?」「靴です」「誰がつくんの?」「わたしです・・・」「えっ、あんたが?!」「どこで?」というような調子で質問攻めで挙げ句のはてに「ウチは小売りはやんないから」と追い出されたりしたものだった。そんな訳でこびとくにとっては浅草はコワイところという印象が強かった。

ところが最近ではどこも親切にしてくださる。
初めて訪ねたところでも「何しにきたの?」ではなく「アナタはどこの学校?」ときかれたりするようになった。そうなんです、靴学校が増えたおかげで個人で靴をつくる人が増えたんですね。
この不景気で小売りに力を入れようという問屋さんも増えたのかもしれない。どちらにしても有り難いことこの上ない。昨年廃業された取引先さんに代わりにと紹介されたところを訪ねてみるとなんと太っ腹な社長さんで「小口なんですが・・・」とおそるおそる切り出すと「数は気にしなくていいよ」と言ってくださった。おまけに「何でも相談してよ」とまで・・・。

ひゃーっ、時代は変わったのだー!

ところで、昨日今年初めてのツバメを見ました。
季節も確実に変わったねー。


革底のいろんなのも見せてくれました。
その話は今日おしでドウゾ。