こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

中底の話


たまには靴つくりの話題を。中底について。
靴の材料の中で一番大事といっても過言ではない中底。市販の靴はボール紙を圧縮したようなものを使っていたりするみたいだけど、こびとく製はぜいたくに銀付き(革の表面のこと)の革の厚い中底を使用している。これを加工して中底として使う他、月型(カカトの芯)としても使う。靴つくりの材料で天然素材のものはみんなそうなのだけど、品質が安定しないという欠点がある。同じものを仕入れてもそのときそのときで微妙に(ときには全く)違うものが届く。厚みや硬さや色など一定ではないんですね。値段は同じなのに。
今回は柔らかくて腰の弱いのばっかだなぁとか、今回のは固すぎ!などなかなか思うようにはいかない。適材適所とはいうけど、柔らかければいいというものでもないし、丈夫ならそれでいいかというとそうでもない。柔らかめのものは、ご年配のご婦人用の軽い靴にまわし、硬くてしっかりしたものはハードな紳士靴に使う。一応、使い分けている。

最近仕入れた中底は程度がよくて、厚みもあるけどしなやかさもあり、グッドイヤーウエルト製法の靴に最適。厚みがあるので、スクイ縫いをするための細工もサクサクできた。明日は縫います。しかし、厚みのある分、ボリュームのある靴になってしまうんだよなぁ。わたしは好きだけどね。華奢なのより。

昨日、らでぃっしゅの野菜が感動的においしいわけではないと書いたけど、今日食べたいんげんはおいしかった。シンプルにおかか醤油炒めにしただけだけどいつもよりおいしかった。昨日のセロリもスーパーで買ったものよりは香りが良かったっけ。わーい。明日は何つくろ?